これは“ゲーム”じゃないーフライト・ゲームー試写会で一足お先に拝見しました。
「サード・パーソン」以来25日ぶりの新作リーアムは、
キレの良い無双を遺憾無く発揮してくれましたよ!!!
【あらすじ】
乗った飛行機で
ハイジャックが起きそうだから何とかしなきゃ
***ネタバレなし***
連邦保安官のビル(リーアム・ニーソン)は、空の安全を守るためにNY発ロンドン行きの飛行機に乗るんですが、
びっくりするぐらい仕事嫌いな男です。
今までのリーアム・ニーソンのキャラクターには似合わないなってくらい
不真面目でやさぐれてる感じ。
イメージ的には「ガンシャイ」での、働きたくなくてベッドにうずくまるリーアムが近いですね。(この映画も面白いのでオススメ)
ちょっとイヤな奴だな、って感じなんですが、やるときゃやる!の緩急のあるキャラクター性に見事に引き込まれました。
人生に疲れている感じが滲み出ているリーアムの演技が素晴らしくてニヤニヤが止まりません。(褒めてる)
リーアム・ニーソンは
悲壮感漂う苦悶の表情が、やっぱり上手いですね。
嫌々乗った飛行機内で、
20分毎に乗客を殺すという殺人予告メールが届く。殺人を防ぐ為に犯人捜しを開始するビルだったが…?
という感じ。犯人の手のひらで転がされまくるリーアム。
ちょっと泣きそうなんだよね。
泣きたいくらい困っちゃってる。リーアムの行動が益々事態を悪化させていて、そんなリーアムの行動を見越して殺人計画を練っている犯人の手腕が凄い。頑張れ!って見てる側はリーアムを終始応援したくなる。そして、
誰が犯人なんだ…?と疑心暗鬼で登場人物達を見ちゃう。疑いの目で見ると、
誰もが容疑者に見えてくる。観客にミスリードをさせる為に
登場人物達を描き過ぎかなという印象もあるけど、主人公の目線になったつもりで、
人間不信を抱きながら現場にいると思えるので
手に汗握りますね。
もちろん随所に
ツッコミ所は多々あるんですが、大まかな流れとして十分楽しめたので
そこら辺は目を瞑ります。個人的には、リーアムがなぜこんなやさぐれちゃったのか、という理由がかなり精神的ダメージデカかったですね。
共演はジュリアン・ムーア。たまたま主人公の隣に座る事から、彼の協力者としてあれこれ働きます。が、正直に言うと居ても居なくても変わらないキャラでしたね。『マン・オブ・スティール』時のエイミー・アダムスみたいな扱いでちょっと可哀想。
その他にも『それでも夜は明ける』でアカデミー賞を受賞したルピタ・ニョンゴや
『ダウントン・アビー』で注目を浴びたミッチェル・ドッカリーなど
今話題の女優さんが出演しているのも魅力の一つですね。
納得がいかなかったのは、やっぱり邦題です。『フライト・ゲーム』って、
ダサすぎ。原題は『
Non-Stop』で、止まらない殺人、止まらない疑心暗鬼、止まらない飛行機、、等々、正に
ノンストップで展開する今作を如実に物語っているタイトルだと思うんですけどね。
日本でよくある【
やりたい邦題映画】の犠牲者になってしまったのが残念でなりません。
本編を最後までご覧になれば分かると思いますが、誰もゲームなんかしてないんですよ。犯人の行動が愉快犯的な意味で捉えられるのは前半だけです。最後まで見ないで邦題付けた感が凄いです。
今作の監督はリーアム・ニーソン主演映画『
アンノウン』の監督
ジャウム・コレット=セラ。アンノウンに続いてのリーアムとのタッグです。
この監督、
やっぱり凄いです。リーアム・ニーソンをこれでもかこれでもかと虐めて、孤立無援にさせて、【
孤独な1人の男】として困らせるのがとにかく上手い。そしてリーアムも、【
孤独な1人の男としての悲哀に満ちた演技】が抜群にイイ。この2人が一緒になれば、
絶対に面白くなるに決まってますね。
ジャウムとリーアムは来年4月に全米公開予定のアクション映画『
Run All Night』でもタッグを組むので、そちらも楽しみに待ちましょう。こちらの作品は、年老いたヒットマン(リーアム)が、凶悪なマフィアのボスから別居状態で疎遠な彼の息子と家族を守る。というストーリーのようです。またしても
リーアム孤独マンな予感…楽しみですね。
『フライト・ゲーム』は9月6日公開です。